まちにすむ人々10―宮地陸橋

 尾久橋通りと明治通りの交差点、宮地に仕舞た屋のような、実はまだまだ営業しているパン屋がある。店は自宅の一角。店内は、人が一人二人入れるぐらい。ショーケースにはいくつかのパンが並ぶ。ホットドッグ用のパンに焼きそばやハムカツが挟まっている。玉子サンドなどもある。いわゆる、調理パンである。これらが歩道側からのぞき込めるのだが、実際、ガラスの引き戸を開けて店内にはいると、ソーセージ揚げパンなど揚げ物のパンも揃えている。調理パンは自家製だろうが、これらの揚げパンは仕入れ? と尋ねると、すべて店の奥でつくっているとのこと。なんと、み~んな、手づくりなのだ。しかも、安い!

 この一見営業していないような、実は安くて真心のこもったパン屋さん。爺さんと婆さんがやっていてるのだが、いつも思いを巡らせるのは、朝はどんなもの食べてるんだろう?

 店内に入ると、ご主人から味噌汁の香りが漂ってきた。う~ン、調理パン屋さんも朝は味噌汁にご飯を食べていた?(I.K.)